しゅりるとは。


「掃除」からはじまる社会教育・地域創生


「しゅりる」は、教育・福祉・地域創生を目的として、大正大学の大学生によって企画されました。

まず、社会問題となっている孤立死を未然に防ぐために、地域の寺院を中心として高齢者のコミュニティづくりの場を作ろうという趣旨からはじまりました。私たちが行うことは、ボランティアといった高尚なものでは決してなく、教育・福祉・地域創生を目的とし、長期的に見て持続可能な、社会教育活動・コミュニティ創生活動です。


具体的には、活動しやすい早朝に、高齢者社会教育団体地域の商店などが、寺院に集まり、簡単な寺院清掃と、お茶会を行おうというものです。寺院を特定の信仰者のためだけの宗教施設にするのではなく、社会のためのコミュニティ施設として位置づける新しい取り組みです。この活動を行うことで、高齢者の方々が交流を通じて、それぞれ興味のある社会教育・生涯学習へと進み、さらに参加者主体の町のイベントなどへと展開します。


その結果として、

1. 高齢者の孤立や孤独死といった社会問題の解決

2. 社会教育団体(生涯学習団体)の活動の幅の拡大

3. 仏教文化への関心の向上や、文化財などの再活用による文化レベルの向上

4. 地域経済の発展

を目指しています。

私たちが想定する具体的なメリットとして、

【高齢者】

1. 社会との繋がりの発生による孤独死の予防・健康寿命の向上

2. 社会教育団体を通じた、趣味・生きがいの発見

3. 学んだことを活かした社会参加(ボランティアや仕事など)

【社会教育・生涯学習団体】

1. 活動を通じた、新しい仲間の発見

2. 社会教育団体同士の交流による活動の幅の拡大

3. 寺院施設や文化財の活用による文化的なイベントの開催

4. 自身が主体となった企画の発信・街づくり

【行政】

1. 福祉・教育・経済の次世代を担う人材育成プログラム

2. 社会福祉コストの削減

【寺院】

1. 「人」と「寺院」との結びつき

2. 寺院を中心とした新しいイベントの創出

3. 仏教文化の関心の向上

【地域経済】

1. 町おこしによる消費の創出

2. 高齢者のニーズの顕在化

3. 街の付加価値の創出

などがあげられ、これにより教育や福祉の向上、地域創生に寄与します。また、寺院は全国的に展開しているため※、日本全体の問題解決へと導きます。もちろん、寺院だけでなく、教会、神社といった施設でも、「しゅりる」をモデルケースとして行うことは可能です。


※約77,000ヶ寺

名前の由来


「しゅりる」は仏教説話に登場する「周利槃特(しゅり・はんどく)」から名付けました。

仏教の戒律を示した「律」には、お釈迦様をはじめとする多くの出家修行者のエピソードが述べられており、「根本説一切有部」という上座部の資料に残っているのが、周利槃特(チューラパンタカ)のエピソードです。

彼は、日本のアニメ『天才バカボン』に登場する「レレレのおじさん」のモデルになった人ともいわれています。


彼のお兄さんはとても賢かったのですが、彼は何か月たっても、お経の一句すら覚えられませんでした。

お兄さんからもあきれられてしまい、他の修行僧からも責められる毎日。

何をやってもダメな自分が嫌になり、涙を流し、ついに心が折れてしまいました。


お釈迦様は、そんな姿を見て、周利槃特が得意とするお掃除をさせました。

塵(ちり)を払わん、垢(あか)を除かん、この言葉を唱えながら、お掃除しなさい」

ところがその言葉さえも覚えられなかったので、何度も何度も教えてあげることになりました。


ついに「塵を払わん、垢を除かん」が唱えられるようになりました。その時気づいたのです。

「自分の心にある迷いが、塵や垢のように積もっているんだ」

彼にはそのように「気づき」を得ました。自分の困難と向き合って、その中で発見したのでしょう。


人間は、どのような人でも、気づきを見つけられます。困難から目を背けず、向き合う方法もあります。

皆様も「しゅりる」をきっかけとして、新しい発見地域の活性化をしてみませんか。


(参考資料:『根本説一切有部律』)